旦那様、離婚の覚悟を決めました~堅物警視正は不器用な溺愛で全力阻止して離さない~
「離婚届です」
「……うん……」
そうだな、と相槌めいた返事を落とした後、彼は片手で顔を覆ってしまった。
予想外の反応に言葉が続かなくなる。『うん』という砕けた喋り方も、出会って以来初めて聞いたかもしれない。
「あの、手、洗ってきますね」
「……うん……」
弱りきった様子の和永さんを横目に、私はそそくさとキッチンへ向かう。
ハンドソープで手を洗いながら、ふとシンク横の食洗機に目を向け、それから食器棚に視線を移す。昨日の料理を盛りつけた、冷蔵庫に入れておいた皿が、すべて整然と棚に戻っていた。
(……今日もちゃんと食べてくれたんだ)
きゅ、と胸の奥が痛む。
今日もこうして片づけまで済ませてくれて、ああ、こういうところも含めて好きになっちゃってるんだよな、と思う。
休日に作りすぎてしまった料理を、『お腹がすいていたらどうぞ』とメモつきで冷蔵庫に入れ始めたのは、結婚から二ヶ月が経った頃だ。
「……うん……」
そうだな、と相槌めいた返事を落とした後、彼は片手で顔を覆ってしまった。
予想外の反応に言葉が続かなくなる。『うん』という砕けた喋り方も、出会って以来初めて聞いたかもしれない。
「あの、手、洗ってきますね」
「……うん……」
弱りきった様子の和永さんを横目に、私はそそくさとキッチンへ向かう。
ハンドソープで手を洗いながら、ふとシンク横の食洗機に目を向け、それから食器棚に視線を移す。昨日の料理を盛りつけた、冷蔵庫に入れておいた皿が、すべて整然と棚に戻っていた。
(……今日もちゃんと食べてくれたんだ)
きゅ、と胸の奥が痛む。
今日もこうして片づけまで済ませてくれて、ああ、こういうところも含めて好きになっちゃってるんだよな、と思う。
休日に作りすぎてしまった料理を、『お腹がすいていたらどうぞ』とメモつきで冷蔵庫に入れ始めたのは、結婚から二ヶ月が経った頃だ。