旦那様、離婚の覚悟を決めました~堅物警視正は不器用な溺愛で全力阻止して離さない~
「ああ。本人からは『自分のことを悪く言ってもらえば仕事に影響はないだろうからそうしてくれ』と言われた」
「末期じゃん……もう絶対離婚したいんじゃん、奥さん」
「だから信頼を取り戻す方法はないかと訊いてる!」
堪らず語調を強めてしまう。
我ながら焦りの滲んだ声だ。これほど余裕が枯渇するなんていつ以来だろう。どうして自分はこんなに焦っているのか、正直それすらよく分かっていない。
「別れたくないの?」
「別れたくない」
迷いなく答えると、織田原は微かに目を瞠った。
「意外だわ。即答じゃん」
「当たり前だ。向こうにも早く諦めてもらいたい」
「それって奥さんが市条さんの姪御さんだから?」
言葉に詰まった。
ここで詰まる気はしていなかったにもかかわらず。
「いや、それは……分からない」
「分かんねえのかよ。急にまごつくじゃねえか」
ここまでハキハキ喋ってたくせによ、と溜息をつきながら、織田原は同情めいた眼差しを向けてくる。
「なんかお前って女から〝思ってたんと違う〟みたいな振られ方してきたじゃん、学生の頃からずっとさぁ」
唐突に話が変わった意図を掴めないまま、思わず眉が寄る。
「末期じゃん……もう絶対離婚したいんじゃん、奥さん」
「だから信頼を取り戻す方法はないかと訊いてる!」
堪らず語調を強めてしまう。
我ながら焦りの滲んだ声だ。これほど余裕が枯渇するなんていつ以来だろう。どうして自分はこんなに焦っているのか、正直それすらよく分かっていない。
「別れたくないの?」
「別れたくない」
迷いなく答えると、織田原は微かに目を瞠った。
「意外だわ。即答じゃん」
「当たり前だ。向こうにも早く諦めてもらいたい」
「それって奥さんが市条さんの姪御さんだから?」
言葉に詰まった。
ここで詰まる気はしていなかったにもかかわらず。
「いや、それは……分からない」
「分かんねえのかよ。急にまごつくじゃねえか」
ここまでハキハキ喋ってたくせによ、と溜息をつきながら、織田原は同情めいた眼差しを向けてくる。
「なんかお前って女から〝思ってたんと違う〟みたいな振られ方してきたじゃん、学生の頃からずっとさぁ」
唐突に話が変わった意図を掴めないまま、思わず眉が寄る。