不器用な君のしぐさ
その後、休憩を挟みつつ定時ギリギリで全ての書類をシュレッターにかけ終わり、わたしは「終わったー!」と達成感で両腕を上げ喜んだ。
「はぁ、疲れたなぁ。本当助かったよ、ありがとう。」
「いえ!確かに疲れましたけど、でもなぜか達成感があります!」
「こんな地味な作業で達成感を感じるのは、きっと清村くらいだろうな。」
そう言って、司馬さんは微かに優しい表情を見せる。
少しずつ司馬さんの微かに変わる表情が分かるようになってきた。
それを見れるのはわたしだけな気がして、嬉しかった。
「今日は口封じの為じゃなく、何か礼をしたい。何がいい?」
司馬さんがそう言うので、わたしは「んー、、、」と考えたのち、「ドライブに連れて行ってください!」と言った。
「まだそんなにお腹空いてないんで、今日はドライブがいいです!気分転換に!」
「わかった。行きたい場所は?」
「それは司馬さんに任せます!」
「じゃあ、、、夜景でも見に行くか。」
「いいですね!」
そしてわたしたちは、帰り支度をしてから、また駐車場で待ち合わせをした。
すると、わたしが帰り支度を済ませ「お疲れ様です。」と総務課を出ようとすると、「あのぉ。」と声を掛けられた。
ふと振り返ってみると、そこに居たのは同じ総務課でわたしの後輩の鹿野さんだった。
「ん、どうしたの?」
「あの、先輩にこんなこと言うの、、、失礼かもしれないんですけど、今日の午後ずっとサボって司馬さんのとこに居たんですよね?わたしたちに仕事押し付けて。」
鹿野さんは眉間にシワを寄せ、苛つきを見せながらそう言った。
「あ、ごめんね!鹿野さんたちに負担かけちゃったよね。その分、明日わたしがみんなに負担かけた分、頑張るから!」
「司馬さんに気に入られようとしてるのか知りませんけど、周りに迷惑をかけるのはやめてください。」
「いや、別に気に入られ」
と言いかけたところで「お前、何様だ?」と横から冷たい声が低く響いた。
その声の主は、司馬さんだった。