不器用な君のしぐさ

「清村って、どこの課だっけ?」
「総務課です。」
「総務かぁ、、、」

司馬さんはそう呟くように言うので、わたしは不思議に思い「何でですか?」と訊いた。

「いや、勿体無いなと思って。」
「勿体無い?」
「清村は、俺と違って自分の意見をハッキリ言えるし、人とコミュニケーションも取れる。総務課は、他の課に比べて個人での仕事が多いだろ?」
「あぁ、、、まぁ、確かに、個人での仕事の方が多いですね。」
「実は、ここだけの話だが、清村は上層部からの評価が高い。」

司馬さんからのその言葉にわたしは「えっ?!」と驚いた。

わたしが?!
上層部からの評価が高い?!

「だから、清村を総務課に置いておくのは勿体無い気がする。清村は、企画課とか商品開発の方に興味はないか?」
「そうですね、、、商品開発なら興味があります!色々商品を考えて意見を出し合って、新商品を生み出すのが楽しそうじゃないですか!」

わたしがそう言うと、さっきまで無表情だった司馬さんが少しだけ片方の口角を上げ「清村は楽しそうに話すな。」と言った。

「あ。」
「ん?」
「今、司馬さん笑いました?」
「え、笑ってないけど。」
「いいえ!今微かに笑いました!」
「笑ってねーよ。」
「今、ニッて口角が上がってました!」

そう言い合ってると、戸張さんが笑いながら「二人仲良いんだなぁ!」と言い、飲み物と冷しゃぶサラダを運んできてくれた。

「別に仲良くねーよ。」

不機嫌そうにそう言う司馬さん。

しかし、そんな司馬さんを見て戸張さんは「そんな楽しそうに話す一颯、久しぶりに見たよ。」と言い、悪戯にニッと笑いながら厨房へ戻って行った。

それを聞き、わたしは驚いた。

えっ?楽しそう?
この無表情の司馬さんのどこが、楽しそうなの?

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