宇宙で、推しとウエディング!?
 あれ? サカエくんに渡されて、ポケットに入れたはずなのに。
 うそでしょ?
 な……ない……ッ!
「パーツなら、ここですよ。シュリさん」
 ポピーが後ろを向いて、後頭部のカバーをパカッと開く。
 そこには、あの星形の記憶パーツがキッチリとはめ込まれていて、きらきらと輝いていた。
「それ……よかった! パーツ、変えてくれたんだね」
「シュリさんが、私のために頑張ってくれたのが、とても嬉しかったんです。私のために、カラダをはって、思いを伝えてくれた。それに、私の博士を思う気持ちを、シュリさんも大切にしてくれているのが、伝わったから。だから、博士への思いと、シュリさんがくれた気持ちを忘れないためにも、こうしたんです」
「そっか……。ありがとう、ポピー」
「こちらこそ、本当にありがとうございます。シュリさん。それで……あの」
「なに?」
 照れくさそうにもじもじしながら、わたしにすりよってくる、ポピー。
 どうしたんだろう?
「私はアンドロイドですが、シュリさんに頭をなでられるのが、とても好きみたいなんです。あの、すみませんが、なでてもらえませんか?」
「それくらい、いいよ。なでてあげる」
「よかった……! ありがとうございます……!」
 ポピーが嬉しそうに、わたしのヒザに頭を置いたので、優しくなでてあげる。
 さっきから思ってたけど、なんかポピー、雰囲気変わったなあ。
 こんなに、甘えてくるキャラだったっけ。
「そういえば、パーツの交換って自分でやったの?」
「いえ。雪之町さんがやってくれました。頭部の交換なので、自分でだと、どうしても難しいですから」
「そうだよね。でも、サカエくん。アンドロイドの整備もできるんだ。」
 やっぱりカッコいいなあ、なんて隠れて、うっとりしていると、ポピーが気になることを言い出した。
「その際には、雪之町さんに、私の自己プログラムの変更なども手伝ってもらいました」
「えーと、自己プログラム、って?」
 サカエくんを見ると、イスに座り、もぐもぐと桜モチを堪能している。
 そして、桜茶をすすりながら、ポピーの自己プログラム、とか言うものの説明をしてくれた。
「つまり、ポピーの個性や、性能。まあ、アンドロイドの、プロフィールみたいなものだろうか。……なんか、性別を変更してほしいと言われたので、変えてやったんだがな」
「え?」
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