街角ファンタジーボックス

　こちらでは治療院の開設資金の話が進んでいる。
「田山さん　水上地区は他に治療院も無いし穴場ですよ。」
「そうだろう？　だからさ今回、やろうと思うんだ。」
　「どの辺りで計画してるんですか？」
「水上橋のバス停の辺りだよ。」
　「あの辺か。　じゃあ家賃は7万くらいだね。　どれくらいのご希望です？」
「そうだなあ、最低でも500万は必要だね。」
　「お一人でやられるんですか？」
「もちろん最初は一人だよ。」
　行員は聞き取りをしながら予算を立てていく。
　店舗関係は敷金を含めて300万くらいは用立てられるかも？
後は看板と必要機材だ。　これで200万。
　ゆとりを持たせて800万ってところかな？
　そんな話が煮詰まってきて融資計画書が出来上がる。
融資するのも大変だなあ。
　その一方で返済が滞っている商店に迫っていく人も居る。
「これで何回目ですか？　払えないんであれば店を押さえますよ。」
「それは待ってくれ。　なんとかするから。」
「それは何回も聞きました。　もう2年もこうして話し合っているんです。　結論を出してくださいよ。」
「結論と言われても、、、。」
　引っ越すに引っ越せず売ろうにも売れず、利子だけが膨らんでいくこの店、、、、。
店主はどうしていいのか分からなくなってついには夜逃げしてしまった。