幼なじみ~Save the Earth0 Epi.1~
「そういえば、この本て全部買ってるの?」


「まさか!
父さんの書斎から持ってきてるんだ。」


「へえ…」


炎の持っている本のタイトルを見ると、宇宙関係の本ばかりだ


「随分難しそうな本だね。
内容、分かるの?」


「まあ…大体は…」


くっ……忘れてた


こいつはわずか10歳で、中学校の学習内容を理解した人間だ


「さっ、今日の勉強終わり!」


「私は終わってないけど?」


「だから俺の勉強は終わり。
ここからは、海雨の勉強ね。」


「ああ…」


私は、それまで炎が座っていた椅子に座ると、カバンから教科書とノートを出した


「夏休み中に、宿題全部、終わるといいな。」


「何それ。
炎は終わったの?」


「休みの初日にね。」


「げっ!」


「驚くことじゃないよ。
宿題なんてのは、一度授業で習ったものを出すだけだろ?」


炎の理屈は合っている


合っているが、私の頭では到底、ついていけない


「大丈夫だよ。」


「ん?」


「海雨には俺がいるんだから。」


幸せだった


自分だけではなく、炎も自分を好きだということが、伝わってくるから



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