幼なじみ~Save the Earth0 Epi.1~
「海雨(ミウ)、どこに行くの?
夏休みだからって、勉強しなきゃダメよ。」


「はいはい。
その勉強をしに行くの。」


母親は目を丸くした


「あら珍しい。」


「お母さんが勉強しろって、言ったんでしょ。」


私は教科書とノートをカバンに入れると、玄関を開けた



「どこに勉強しに行くの?」


私はにっこり笑うと、お母さんにこう答えた


「炎の家。」


「はあ?」


「じゃあね、お母さん。」


私は勢いよく飛び出すと、自転車に乗った



「ちょっと、海雨!
なんでわざわざ!」


「分からないとこ、炎に教えてもらうんだもん。」


私は怒っているお母さんを尻目に、炎の家へと自転車を飛ばした


附属の中学から、一般の高校に入学した炎


一緒の高校に通うようになってから、お母さんは、私と炎との仲を警戒していた



いとこ同士で幼馴染み


私のお母さんと炎のお父さんが実の兄弟だから、お母さんは余計に、炎との仲を不快に、思っているのかもしれない



しかし お母さんには悪いけれど、私の中で炎は既に、ただの従兄弟ではなくなっていた


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