とある村の怖い話
燃やす
夏美はきっと村に連れ戻されている。
そう判断したふたりは山道を登り始めた。
洞窟から出たときにはすでに朝が来ていて、木々の隙間から日光が差し込んでいた。
「ここがいまよい村か……」
カメラでは広場の脇に設置されいる小さな祠の前に座っている男女を映し出していた。
みんな同じように地面に膝をつき、祠へ向けて頭を下げている。
一番前に座っている年配の男性がなにか言っているけれど、その声は聞き取れなかった。
「あの祠にはなにが祀られてるんだ?」
「さぁ、わからない。どうせつまらないものだと思って、確認してなかった」
雄一が左右に首を振って答えた。
雄一はとにかく夏美を探すために行動していたから、この村の細かな部分までは見ていない。
と、そのときだった。
隠れて撮影していたふたりの後方から足音が聞こえてきて振り向いた。
そこに立っていたのは5歳くらいの小さな男の子だ。
「うっ」
達也が咄嗟に逃げ出そうとして、雄一がそれを止めた。
そう判断したふたりは山道を登り始めた。
洞窟から出たときにはすでに朝が来ていて、木々の隙間から日光が差し込んでいた。
「ここがいまよい村か……」
カメラでは広場の脇に設置されいる小さな祠の前に座っている男女を映し出していた。
みんな同じように地面に膝をつき、祠へ向けて頭を下げている。
一番前に座っている年配の男性がなにか言っているけれど、その声は聞き取れなかった。
「あの祠にはなにが祀られてるんだ?」
「さぁ、わからない。どうせつまらないものだと思って、確認してなかった」
雄一が左右に首を振って答えた。
雄一はとにかく夏美を探すために行動していたから、この村の細かな部分までは見ていない。
と、そのときだった。
隠れて撮影していたふたりの後方から足音が聞こえてきて振り向いた。
そこに立っていたのは5歳くらいの小さな男の子だ。
「うっ」
達也が咄嗟に逃げ出そうとして、雄一がそれを止めた。