ずぶ濡れ女子の誘惑に負けてHしてしまったけど、どうやらHしてはいけない子だったようです。



「あ、出ふぇきふぁ。んくっ、勝手に食べて飲んじゃってまぁ~す」

 俺がさっきコンビニで買った、今日の夕ごはんのコンビニ弁当とビールを勝手に開けて飲み食いしていた。しかも……胡座をかきながら。

「ちょおっっ!!?」

 色々と動揺しながら、慌てて脱衣所から新しいタオルを持ってきて、胡座をかく彼女の膝にバスタオルを広げて被せた。

「ふぇ?何ですか?」
「何ですかじゃないですよ!し、下、穿いてないでしょ!?」
「下?ああ、パンツですか?だって濡れてたもん」
「だったら、他のズボン貸しますので、それ穿いてください!!」
「え~?タオル被せてくれたし、ダイジョブダイジョブ!それともぉ~……お兄さん、もしかして見たい?私の秘密の園~♡」

 と、ニヤニヤしながら彼女は膝にかけたタオルを捲り、Tシャツの裾をぴろっと小さく捲った。見えそうで見えない……秘密の園──……

「って、そういうの要りません!!そ、それより、何勝手に人の夕飯食ってるんですか!?てか、またビール飲んでるし!しかもそれ、俺のビールだし!!」
「いや~お腹空いちゃって。そしたら、お兄さんが持ってた袋から美味しそうな匂いがしたんでつい……で、ビールもあったんでつい飲んじゃいました♡」

 てへへとウィンクしながら舌を出し、すみません♡と言った。かっ、可愛い。てかこの子、よく見るとめちゃくちゃ可愛い。
 モカブラウンのボブヘアがよく似合っていて、目が綺麗なアーモンド型でパッチリとしていて。小顔で色白で……めちゃくちゃ俺好みだ。

 それにしても……この子幾つくらいだろ?年下っぽいけど……弟くらい、かな?
 と、もぐもぐと俺の弁当を食べる彼女の横顔をぽーっと見ながら思っていると。

「あ、私ばっかり食べてごめんね。はい、あーん♡」

 と、彼女はエビフライをお箸で挟み、俺の口元に持ってきた。

「い、いいよ!」
「このエビフライ美味しいですよ。はい、あーん♡」
「うぅ……」

 ……ぱくっ。

「……美味しい」
「でしょ~!」

 にいっと微笑む彼女。……めちゃかわなんですけど。

 彼女は弁当を半分ほど食べると「はい、あとはお兄さんの分」と言って、その弁当を俺に渡した。

 プシュッ。

「ぷはぁ~……」

 俺は一番のお楽しみのビールを開け、ゴクゴクと飲む。ストレス社会を生きる、俺の唯一の癒しのもの。……今日はその癒しを1本奪われたけど。
 食べかけの弁当を食べながらビールを飲んでると。

「このビール美味しいですよね~。私もいつも飲んでるんですよ~」

 と、彼女はビール缶をゆらゆらさせながら言った。さっきより顔が真っ赤っかだ。

「そんなことより、飲みすぎじゃないですか?顔真っ赤ですよ?」
「ん~……私お酒つよいからぁ~ダイジョブダイジョブ。それより、ビールもっとー!」
「今日はあなたが飲んでる分と俺が飲んでる分しか無いです!」
「えぇ~……つまんないの」




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