次期ホテル王として戻ってきたイジワル幼馴染に溺愛されています
01 婚約破棄からの再会
「柚希には悪いけど、俺と別れて欲しい」
午睡を誘う穏やかな昼下がり。老舗の五つ星ホテルの一階、軽食も楽しめる小さなラウンジ。
バカンスを楽しみにやって来た客や食事を楽しんでいる客による明るい声が響く中、私に向けられたのは刃物よりも鋭い、冷たい言葉だった。
「別れるって……。なんでそんな……急に……」
驚きのあまり声が震える。
今日は結婚式の下見にきたはずだった。
私、宮園柚希が勤めるホテル、ロイヤル・ローズ東京は結婚式から披露宴まで可能な都内にあるラグジュアリーホテルだ。
自分の勤め先で結婚式を挙げるのは気恥ずかしかったけれど、私はこのロイヤル・ローズ東京をとても気に入っている。
勤続六年、二十八歳にして大好きなホテルで結婚式を挙げられることは、私にとって幸せそのものだった。それなのに。
「ごめん。実は、柚希とは別に付き合っている人がいる」
「っ……」
「その子のことが好きなんだ。だから、お前とは結婚できない」
鈍器で頭を殴られたような衝撃に、息が止まりそうだった。
婚約破棄されただけでも衝撃的なのに、その上、浮気だなんて。
いや、この場合、浮気相手は私なのかもしれない。だって、目の前にいる彼は、私とは別の子を選ぶのだから。
午睡を誘う穏やかな昼下がり。老舗の五つ星ホテルの一階、軽食も楽しめる小さなラウンジ。
バカンスを楽しみにやって来た客や食事を楽しんでいる客による明るい声が響く中、私に向けられたのは刃物よりも鋭い、冷たい言葉だった。
「別れるって……。なんでそんな……急に……」
驚きのあまり声が震える。
今日は結婚式の下見にきたはずだった。
私、宮園柚希が勤めるホテル、ロイヤル・ローズ東京は結婚式から披露宴まで可能な都内にあるラグジュアリーホテルだ。
自分の勤め先で結婚式を挙げるのは気恥ずかしかったけれど、私はこのロイヤル・ローズ東京をとても気に入っている。
勤続六年、二十八歳にして大好きなホテルで結婚式を挙げられることは、私にとって幸せそのものだった。それなのに。
「ごめん。実は、柚希とは別に付き合っている人がいる」
「っ……」
「その子のことが好きなんだ。だから、お前とは結婚できない」
鈍器で頭を殴られたような衝撃に、息が止まりそうだった。
婚約破棄されただけでも衝撃的なのに、その上、浮気だなんて。
いや、この場合、浮気相手は私なのかもしれない。だって、目の前にいる彼は、私とは別の子を選ぶのだから。
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