次期ホテル王として戻ってきたイジワル幼馴染に溺愛されています
「ん、……ぅ、たっちゃん、苦しい」

 背中と首を反らしたまま、何度も口づけられて、体勢がきつくなってくる。
 彼もそのことに気付いたのか、私からパッと離れた。

「ごめん。情けないな……。自制が効かない」

 瞼の下を親指の腹でなぞられる。達成さんは暫くそうして私を見つめると、ハァ……と深いため息をついた。

「休憩時間中、でしたよね。ここで寝て行ってください。寝室に案内します」
「でも、たっちゃんのベッドを使うわけには……!」
「僕はもう少し仕事をします。……同じベッドに入ったら、何もしない自信がない」

 そう零す彼の顔は見たこともないほど切羽詰まっていた。

 彼に寝室まで案内され、ベッドへと連れて行かれる。こんな形で彼の寝室に入ることになるとは思わず、疲労が何処かへ行くほど緊張してしまった。

「えっと……、本当にいいの?」
「もちろんです」
「でも、やっぱり迷惑じゃ……」
「あまり引き止めないで」

 くしゃりと頭を撫でて、彼が寝室から出ていく。
 私はベッドに腰掛けると、スカーフを緩めた。襟から抜き取ったスカーフをチェストの上に置き、ジャケットを脱いで枕元に畳んで置く。
 布団の中に潜り込むと、ふわりと甘い香りがした。
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