次期ホテル王として戻ってきたイジワル幼馴染に溺愛されています


 温かな光が瞼の上を撫でる心地がして目が覚めた。

 ぼんやりとした視界が捉えたのは見慣れぬ天井と、私のことを見下ろす達成さんの顔だ。
 寝室に入ったときは暗くて気付かなかったけれど、部屋には大きな窓があるらしい。温かな光は、どうやら窓から入ってくる太陽の光だった。

「おはよう、柚希」
「ん……たっちゃん……?」

 寝ぼけ眼を擦り、落ちそうになる瞼を持ち上げる。
 彼は私の前髪を指で流すと、額にキスを落とした。

「な、な、な、何して……!」

 驚いて、ガバッと身を起こす。

 ――そうだ、私、昨日たっちゃんと……。

 寝る前のことを思い出して、私は叫び出したい衝動に駆られた。

「昨日のこと、思い出した?」
「お、思い出しました……」
「よかった。忘れられていたら、また思い出させようかと」

 にんまりと達成さんが人の悪い顔で笑う。
 彼は優しいけれど、ちょっとだけイジワルなところがある。私のことをからかって遊ぶのは、心を通わせても変わらないらしい。
 私はむくれながらも、ベッドから降りた。
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