次期ホテル王として戻ってきたイジワル幼馴染に溺愛されています
カウンターの上に置いていた左手をするりと撫でられて、ぴくりと肩を跳ね上げる。
彼が撫でたのは、先ほどまで嘘偽りで固められた婚約指輪をはめていた薬指だった。
「本気……じゃないよね……?」
「僕が嘘をつくと、本気でお思いですか?」
私の疑うような発言がよくなかったのだろう。さっきまでの砕けた口調から一変して、また他人行儀な話し方に戻ってしまう。
彼は私の左手薬指をゆっくり撫でると、キュッと根元を掴んだ。
「まず初めに、その"たっちゃん"って呼び方をやめましょうか。僕はもう、子どもではありません」
「そうだけど……。でも、たっちゃんはたっちゃんだし……」
「今後は、達成と呼んでください」
「……分かった。じゃあ、達成……さん」
「まぁ、いいでしょう。そして、これからの話ですが」
彼は、私の指からそっと手を離し、すっかり氷が溶けてぬるくなってしまったであろうグラスに口をつける。
その所作すらいちいち様になっていて、目が離せなかった。
「僕は本気です。あなたには僕の恋人になって欲しい」
「こ、恋人!?」
「といっても、期間限定の、ですが」
彼が撫でたのは、先ほどまで嘘偽りで固められた婚約指輪をはめていた薬指だった。
「本気……じゃないよね……?」
「僕が嘘をつくと、本気でお思いですか?」
私の疑うような発言がよくなかったのだろう。さっきまでの砕けた口調から一変して、また他人行儀な話し方に戻ってしまう。
彼は私の左手薬指をゆっくり撫でると、キュッと根元を掴んだ。
「まず初めに、その"たっちゃん"って呼び方をやめましょうか。僕はもう、子どもではありません」
「そうだけど……。でも、たっちゃんはたっちゃんだし……」
「今後は、達成と呼んでください」
「……分かった。じゃあ、達成……さん」
「まぁ、いいでしょう。そして、これからの話ですが」
彼は、私の指からそっと手を離し、すっかり氷が溶けてぬるくなってしまったであろうグラスに口をつける。
その所作すらいちいち様になっていて、目が離せなかった。
「僕は本気です。あなたには僕の恋人になって欲しい」
「こ、恋人!?」
「といっても、期間限定の、ですが」