次期ホテル王として戻ってきたイジワル幼馴染に溺愛されています
 これは骨が折れそうだ……と思いながらも、ステージ裏のバックヤードへ向かい、ひとつひとつ備品をチェックをしていく。

 ちなみに私は全体運営に関わるため、当日はほとんどパーティー会場の中にいる予定だ。
 パーティーを円滑に進めるためのコンシェルジュとして、トラブルがないかを見守るのだ。

 パーティーは二時間程度だけれど、私自身、こうした周年記念パーティーは初めての参加になるため、今から緊張していた。

 ――楽しみだけど、ちょっと不安なのよね……。

 さっき、紫苑寺の名前を見てから胸がざわざわしている。
 彼女の親族までやってくるのだ。もしそこで、達成さんとの関係が強固になったら。
 そう思うと気が気でなかった。

「宮園さん」
「…………」
「宮園さん!」
「は、はいい!!」

 大きな声で名前を呼ばれて、ビクッと肩を震わせる。どうやら物思いに耽りすぎたらしい。
 私は笑顔を浮かべると、なんでしょうか? と話し掛けてきた女性スタッフの方に振り返った。

「お忙しい中、仕事を増やして申し訳ないのですが……」

 こちらのリストチェックもお願いしたいです、と新たなリストも渡される。
 どこも手一杯なようで、次々と舞い込んでくる仕事に辟易しながらも、私は笑顔を崩さないままリストを受け取った。

「ふぅ……。今は仕事に集中しなくちゃ」

 そうひとりごちて、リストをぺらぺらと捲る。
 それからの私は雑念を払うように仕事に集中した。
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