次期ホテル王として戻ってきたイジワル幼馴染に溺愛されています
三年付き合った彼との別れは、あまりにもあっさりしすぎていて、しばらく何も感じられなかった。
やけに口の中がからからに乾いて、指先から体温が消えていく。
「……すみません。お待たせいたしました。本日、ご予約いただいた宮園様ですね?」
突然、後ろからやってきた男性に声をかけられ、私はハッとして顔を上げる。
あまり関わりはないけれど、このホテルの従業員だ。ウェディング担当の社員で、分厚いバインダーやパンフレットを携えている。
ドレスやブーケ、テーブルコーディネート。
美しい写真で彩られたパンフレットを開くことはないのだと実感して、私はまた俯いた。
「……すみません、キャンセルで」
「キャンセル、ですか?」
「はい」
「では、日を改めて……」
「いえ、もう必要ありませんから……」
「えっ」
男性の反応はもっともだと思う。
私はなんとか顔を上げると、深々と頭を下げた。
「せっかくお時間を取っていただいたのにすみません」
なんとかそれだけを呟くと、ウェディング担当の男性も察するものがあったのか、分かりました、と一言つぶやいて下がっていった。
完全に周りの人がいなくなってから、私はうっ、と声を詰まらせる。
「……っ、ぅ、」
やけに口の中がからからに乾いて、指先から体温が消えていく。
「……すみません。お待たせいたしました。本日、ご予約いただいた宮園様ですね?」
突然、後ろからやってきた男性に声をかけられ、私はハッとして顔を上げる。
あまり関わりはないけれど、このホテルの従業員だ。ウェディング担当の社員で、分厚いバインダーやパンフレットを携えている。
ドレスやブーケ、テーブルコーディネート。
美しい写真で彩られたパンフレットを開くことはないのだと実感して、私はまた俯いた。
「……すみません、キャンセルで」
「キャンセル、ですか?」
「はい」
「では、日を改めて……」
「いえ、もう必要ありませんから……」
「えっ」
男性の反応はもっともだと思う。
私はなんとか顔を上げると、深々と頭を下げた。
「せっかくお時間を取っていただいたのにすみません」
なんとかそれだけを呟くと、ウェディング担当の男性も察するものがあったのか、分かりました、と一言つぶやいて下がっていった。
完全に周りの人がいなくなってから、私はうっ、と声を詰まらせる。
「……っ、ぅ、」