次期ホテル王として戻ってきたイジワル幼馴染に溺愛されています
「当ホテルは常連様による利用率が非常に高いです。五つある拠点の中でもリピーター率はトップクラスです。都心にあるという利便性を確保しながらも、会員ランクに応じた手厚いサービスは顧客の心を掴んでいる。加えて、高級感を損なうことなく、リゾート地でゆったりと過ごしているときのような癒しをお届けできていると思っています。そうした強みをさらに活かし、今回様々なエリアを改修します」

 資料は主観的な情報だけではなく、しっかりと各施設の稼働率まで明示されている。
 私が以前話したVIPエリアにあるジムの利用率に関することや、コンセプト系の飲食店の強みなど、しっかりと数字を用いて分析がされていた。

「いいですね。費用はそれなりにかかるかもしれませんが、リラクゼーション施設やレクリエーション体験などで利用料を取ることでうまく費用の回収もできると思います」
「VIPエリアが変わり映えせず、常連様にとっては飽きられてしまうのでは? といった心配があったので、これはいいですね」

 概ね、達成さんが出してきた案に大きな懸念点はなく、提案の方向性もよいとして、出してきた資料をベースに改修工事も進む流れとなった。

 最初こそ、新たにやってきた社長を訝しむスタッフもいたけれど、今回の一件でかなり期待値が上がっている。むしろ褒める声も多く、この短時間でどうやって調べたのか、とベテランスタッフに聞かれていた。

「私ひとりの力ではありませんよ」
「そうなのですか?」
「はい。このホテルに来てすぐ、コンシェルジュの宮園さんと共に館内を巡ったのです」
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