愛とプライドとバベルの塔

そして、新しい職場。
ショッピングモールの中では業界トップ3に入るくらいの有名企業である株式会社アリオンの売場担当スタッフとして入社したわたし。

わたしが配属されたのは、住居余課のHDという部署らしい。
よく分からないまま、住居余課HD兼HF主任の竹内主任に「小田桐さんはHD担当のステーショナリーだから。」と店舗の裏側にある従業員通路を通って3階に案内された。

関係者以外立入禁止の重たい扉から出ると、そこには広い売場に文房具、スマホアクセサリー、ゲーム、一等くじの売場が広がっていた。

文房具の棚の隙間から見える向こう側にはレジカウンターが見え、基本的には私服なのだが、黒い作業着のようなものを着た男性と40代半ばくらいの女性が話して居るのが見えた。

竹内主任に続き、わたしもそのレジカウンターへと近付いて行く。

すると竹内主任が「新人さん来たよ〜。」と軽い感じでカウンターに居た二人に声掛けをした。

竹内主任の声に、カウンター内にいた女性スタッフと後ろ向きで女性スタッフと話をしていた黒い作業着を着た男性が振り返り、こちらを見る。

「今日からHDのステーショナリー担当になった小田桐さん。」
「小田桐です。宜しくお願いします。」

そう挨拶すると、40代半ばくらいの女性スタッフは笑顔で「HFの南田です!よろしくね!」と明るく挨拶してくれ、少しホッとした。

一方、もう一人の作業着を着た男性は人見知りなのか、愛想のない感じで「サイクルの阿久津です。」と軽く会釈しながら言った。

「阿久津くんは同じHDだから、分からないことがあったら阿久津くんに訊いてね!まぁ、HD担当社員で三谷くんもいるから、三谷くんでもいいけど。」

竹内主任はそう言ったのだが、今の話の中でわたしの中に疑問が生まれた。

同じHD担当なのは分かったが、わたしは"ステーショナリー"と言われた。
しかし、阿久津さんは"サイクル"と言っていた。

、、、どうゆうこと?


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