愛とプライドとバベルの塔

そして、わたしはその疑問を竹内主任に訊こうとした時だった。

阿久津さんが首から下げ、作業着の胸ポケットに入れている社用スマホが鳴りだしたのだ。

「はい、阿久津です。、、、わかりました、今行きます。」

そう言って阿久津さんは慌てた様子で「呼ばれたんで行ってきます。」と言い、走り去って行った。

呼ばれた?誰に?

そう思いながら、わたしは竹内主任に「あのぉ、ちょっと訊いてもいいですか?」と言った。

「何?」
「あのぉ、わたしはHDのステーショナリー担当って言われたんですけど、、、阿久津さんはHDのサイクル担当ってどうゆうことなんですか?」
「あぁ、、、HDって、ちょっと複雑でさ。HDの中でもサイクルとステーショナリーって分かれてるんだ。だから、同じ部署なんだけど、阿久津くんはサイクル担当、小田桐さんはステーショナリーってわけ。」
「なるほど、、、」

と返事はしたものの、同じ部署なのに担当が違うという意味がイマイチわからずにいたわたし。

すると、HF担当の南田さんが「阿久津くんはサイクル担当だから、普段は一階に居るの。だから、分からないことがあったら、阿久津くんか三谷さんに電話して訊いてね。」と言った。

「分かりました。それで、他にステーショナリー担当の方は?」

わたしがそう訊くと、竹内主任から返って来た言葉は「小田桐さんだけだよ。」だった。

へ?、、、わたしだけ?

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