愛とプライドとバベルの塔

その次の日、初めてHFの細村さんに挨拶をした。

「初めまして、HDに入った小田桐です。」
「初めまして!HFの細村です〜!小田桐さん細いね〜!そんなんであんな大量の仕事出来んのぉ?!」

確かにサバサバしている細村さん。

でも、悪い人では無さそうだ。

「何とか頑張ります!」
「で、小田桐さん何歳なの?」
「30です。」
「30?!まだ20代前半くらいかと思ったよ!彼氏は?」
「実は、、、バツイチで、、、」
「えぇ〜!マジィ?!小田桐さんはビックリすることばかりだわ!」

オーバーリアクションの細村さんは、豪快に笑い、わたしはそれがまた話しやすくて嬉しかった。

とりあえず、高井さんと細村さんとは上手くやっていけそうかな。

そう思っていると、細村さんが文房具売場の方を見て、「あ、三谷さん来たよ!あの人がHDの担当なんだけど、昨日会った?」と訊かれ、わたしは「まだです。」と答えた。

すると、レジカウンターまで来た三谷さんに向かい、細村さんが「三谷さん!HDの新人さんだよ!小田桐さん!」と紹介してくれた。

「初めまして、小田桐です。宜しくお願いします。」

わたしがそう言い、一礼すると、三谷さんは人とのコミュニケーションが苦手なのか、恥ずかしがり屋なのか、控えめに「三谷です、宜しくお願いします。」と挨拶してくれた。

すると、三谷さんが「あ、じゃあ、ちょっと手伝ってもらいたいことかあるんですけど、いいですか?」と言った。

わたしは「はい!」と返事をした。

レジ以外の仕事だ!

わたしは細村さんに「行ってきてもいいですか?」と訊くと、細村さんは「今はわたしがレジ当番だから、全然いいよ!これから新入学時期だから大変だね〜!頑張れ!」と言われ、ガッツポーズをして見送ってくれた。

それから三谷さんに連れられ、バックルームに向かうと大きな台車にダンボールの山が積み重なっていて、しかも三台分。

全て合わせて、、、27箱はありそう。

「これ、ですか?」

わたしがそう訊くと、三谷さんは苦笑いを浮かべ「はい。」と答えたのだった。

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