斑くんの激重愛に抗うためには


「え……」



 絶句する私を、斑くんがすました顔で見下ろしている。

 そ、そんなに食べると思わないじゃん……。



「……ふっ」



 追加で満足げに笑われた。もう感情がぐちゃぐちゃだ。

 笑ってくれて嬉しいけど、大量に食べられて悲しい。でも笑ってくれる方が貴重だしなぁ。



「美味しかったですか……?」

「まぁ、いいんじゃね」

「う、じゃあ許します……」



 しょげたい気持ちを我慢して、残りの二割を味わう。

 求めていた反応と違ったのか、斑くんは不服そうだ。



「全部食べてやればよかった」

「さすがにそれは恨みます!」

「ふうん、いいね」



 ……んっ?



「恨んでみろよ」



 嫌な予感がしたつかの間。

 気付いたら手元からコーンが奪われていた。

 バリバリと音を立てて彼の体に吸い込まれていく。



「……ん、うまい」

「っ……、っっ……!」



 ペロリと舌なめずりする斑くん。

 完全に、煽ってるとしか思えない。


 よーし、その挑発乗った!

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