斑くんの激重愛に抗うためには




 ピンポーン。

 ピンポンピンポン、ピポピポピポピポ、



「……うるせえ、誰だ」



 怒り心頭な鬼の形相とご対面。

 寝起き感満載の斑くんに、笑顔で手を振る。



「おはようございまーす!」

「……」



 一瞬睨まれた後、すぐドアは閉められた。


 現在時刻、朝の七時半。

 そろそろ支度を始めないと学校に遅れる時間だ。


 斑くんは毎日のように遅刻しては、先生に怒られている。

 授業中に先生の怒鳴り声が一年の教室まで届いてくるからわかりやすいんだよね。

 私が入学したてのときは一緒に行こうよって誘ってたけど、決まって不機嫌になるし、一度強めに拒否されてから遠慮していた。

 でも、嫌がらせって名目なら話は別!



「お邪魔しまーす!」



 部屋に入るのも禁止されてたっけ? まぁいいや、関係なくずかずか上がり込む。

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