斑くんの激重愛に抗うためには





「ミカちゃん、帰りどっか遊び行かない?」



 ホームルームの前、クレープ食べ行きたいかもなあと構想しながら言った。

 ミカちゃんは「え!?」と後ろを振り向く。



「いく! 久々で、めっちゃ嬉しい……! あっ……で、でも……、あの人が嫌がるんじゃ……」

「斑くん? もう大丈夫だよ。ミカちゃんを怖がらせないために、この教室を出禁にしたから!」



 正直、ミカちゃん以外にも怖い思いしてる人はいたんじゃないかな。

 理解してもらえないのは悲しいけど、すぐには難しいよね。斑くんの安全性を広めるのは徐々にやっていこう。



「そうなの……? まぁ、小鳩が言うなら信じるけどさ……」

「うん! どっか行きたいとこある?」

「うーん……」



 ミカちゃんは顎に手を当てて悩み始める。



「あのね、私はクレープ食べたいかなぁって」

「あ、いいね! プリも撮らない?」

「それだ!」

< 93 / 101 >

この作品をシェア

pagetop