斑くんの激重愛に抗うためには

 放課後の楽しみが増えたことで、少し浮き足立つ。

 そうそう。これが健全というか、苦しくない日常なのだ。


 その分、斑くんに我慢させてるかもしれないけど……。

 抜かりなし。代わりにたくさん甘やかすからね。


 ホームルームが終わって鞄を肩にかけたところで、私とミカちゃんの間に人影が現れた。



「周防」

「……なあに、進藤くん」



 低く返事する。

 これから私はミカちゃんとお楽しみタイムなんですが。



「別れた?」

「逆ですー」



 ツンとそっぽを向いた。



「えー、そうなんだ。じゃあ漁夫の利作戦、失敗かあ」

「……どういうこと?」

「さあね。まぁ、あの先輩と別れたら教えてよ」



 爽やかな笑顔がうさんくさい。

 この人の考えは最後まで読めなかったな。

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