夜の研究所探検

「その研究員の悲鳴を、俺と一緒に聞いたはずだ。それなのに何の説明もせず、あの場から立ち去ったよね?」
「お、おっしゃる通りです!」

 血の気が引くとは、まさにこのことだ。
 弁解する余地など、私にあるはずもなかった。
 できるのは、ひたすら頭を下げることのみだ。

「申し訳ありませんでした‼︎」
「今回のお化け騒動が起こった経緯を、レポートにまとめて提出すること」
「分かりました!」

 北斗さんは再度ため息を吐くと、研究室から出ていった。

 ゆっくりとアルトのほうへ視線をやると、アルトと目が合った。
 お互いに神妙な顔をしていた。

「先生、昨日レポートがんばったのに、またレポート書かないといけなくなっちゃった」
「うん、今日も残業だね」
「でも、ぼく探検はもういいかな……」
「そうだね。こりごりっていうか……」
「…………」

 見つめ合っているうちに、私たちの肩は揺れ始めた。

「ふふふ」
「ぷぷぷ」

(ダメだ、耐えられない!)

 私たちはそれからお腹をよじって笑ってしまったのだった。



END

< 15 / 15 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:6

この作品の感想を3つまで選択できます。

  • 処理中にエラーが発生したためひとこと感想を投票できません。
  • 投票する

この作家の他の作品

表紙を見る 表紙を閉じる
ルーボンヌ神国に生まれながら 誰から教えられるでもなく 自然魔法を使えてしまうマルティーナ。 異端扱いされていた彼女は 魔法大国であるアルダルイド王国へ 留学することに。 しかし意気込むマルティーナは 冷や水を浴びせられる。 「なぜ、ここにいる?」 なぜって、入学が認められたからですよ! 最悪な初対面だと思っていた。 マルティーナはまだ知らない。 自分が覚えていないだけだと──
表紙を見る 表紙を閉じる
王太子殿下の恋人になり 正直浮かれていた…… トントン拍子で内々に 婚約を交わしてしまったけれど これってマズいんじゃ…… 学園を卒業したら公式発表まで待ったなしだ。 婚約を破棄するには 卒業パーティーしかない! セルジュ殿下、貴方との思い出は 一生の宝物にします。 さようなら…… のつもりが、そうは問屋(セルジュ)が卸さない?
神様、どうか目をつぶってください!

総文字数/15,333

ファンタジー31ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
神官長、一体どういうことですか? 異世界から勇者を召喚するはずでは!? 魔王との交渉役として召喚…… ではなく転移させられてしまった 聖女見習いのジョセフィーヌ。 彼女の運命や、如何に──

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop