夜の研究所探検
「その研究員の悲鳴を、俺と一緒に聞いたはずだ。それなのに何の説明もせず、あの場から立ち去ったよね?」
「お、おっしゃる通りです!」
血の気が引くとは、まさにこのことだ。
弁解する余地など、私にあるはずもなかった。
できるのは、ひたすら頭を下げることのみだ。
「申し訳ありませんでした‼︎」
「今回のお化け騒動が起こった経緯を、レポートにまとめて提出すること」
「分かりました!」
北斗さんは再度ため息を吐くと、研究室から出ていった。
ゆっくりとアルトのほうへ視線をやると、アルトと目が合った。
お互いに神妙な顔をしていた。
「先生、昨日レポートがんばったのに、またレポート書かないといけなくなっちゃった」
「うん、今日も残業だね」
「でも、ぼく探検はもういいかな……」
「そうだね。こりごりっていうか……」
「…………」
見つめ合っているうちに、私たちの肩は揺れ始めた。
「ふふふ」
「ぷぷぷ」
(ダメだ、耐えられない!)
私たちはそれからお腹をよじって笑ってしまったのだった。
END


