二人で恋を始めませんか?
優樹の決意
朝になると、茉莉花は朝食を作ってから優樹を起こす。

「優くん、朝ですよ」
「ん……、おはよ、茉莉花」

優樹は寝ぼけ眼で茉莉花を抱き寄せ、チュッとキスをした。

「早く着替えてくださいね。会社に遅れちゃったら大変」
「うーん、行きたくない」
「部長さんがなに言ってるの?」
「だって茉莉花がいるのに仕事なんて」
「ダーメ! ちゃんと帰って来るのを待ってますから」
「分かった。絶対に定時で上がる」

真顔で宣言する優樹に、茉莉花は苦笑いする。

「はい。じゃあ、会社の近くで待ってますね。夕食はどこかに食べに行ってもいい?」
「もちろん。これでもかってくらい、高級ディナーを食べに行こう」
「楽しみ! じゃあ、おしゃれして行っちゃお」
「あ、ナンパされるなよ?」
「されませんって!」

笑いながら朝食を食べると、玄関で優樹を見送った。

「これ、ちょっと憧れてたんです」
「これって、どれ?」

これ!と言ってから、茉莉花は背伸びをして優樹の頬にチュッとキスをする。

「行ってらっしゃい、あなた」

ボッと優樹の顔が真っ赤になる。

「マズイ、今のは反則。ダメだ、もう行けない」
「またそんなこと言って。ほら、早く!」

最後は笑いながら背中を押して見送った。
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