二人で恋を始めませんか?
「茉莉花、外に食べに行こう」
12時になると、沙和は誰にも会わないように会社から少し離れたカフェに茉莉花を誘った。
「茉莉花、何にする?」
「うーん、あんまり食欲ないな」
「だめだよ、少しでも何か食べなきゃ。リゾットならどう?」
「うん、そうする」
賑わう店内で、二人は小さく言葉を交わす。
「こういう時、お酒でも飲んでパーッと気持ちを吐き出しちゃった方がいいんだろうけどね。茉莉花、そういうのも出来ないタイプだよね」
「うん……、そうかも。でも私、別にショックを受けたり落ち込んだりしてないよ?」
「自覚がないのが1番困るの。茉莉花さ、小澤課長を好きだってこともあんまり意識してなかったでしょ? でもそばで見てたら分かる。茉莉花の表情、手に取るように気持ちが表れてたもん。あー、課長のこと純粋に好きなんだなーって思ってた。だけどわざと考えないようにしてたんでしょ? 華恵さんがいるから」
うつむいてじっと沙和の言葉を聞いてから、茉莉花はゆっくり頷いた。
「そうなんだと思う。入社してすぐに小澤課長がメンターになってくれて、いつもそばにいてくれた。優しくて頼もしくて、心から尊敬して憧れた。今もその気持ちは変わらない。だけど、華恵さんとつき合ってるって分かった時、ものすごく寂しくなった。それで自覚したの。私、いつの間にかこんなにも……」
不覚にも涙が溢れた。
沙和がそっと手を握って頷く。
「いいんだよ、茉莉花がその気持ちを抱えてても。だって茉莉花は、ちゃんと分かってる。お二人の仲を引き裂こうなんて思いもしないで、必死に課長のことを諦めようとしてる。けどね、それだと茉莉花が辛くなるのが私は心配。心に溜め込んだままだと、いつか持て余して押しつぶされそうになる。茉莉花、私はいつだって話を聞くから。なんでもいいから気持ちを打ち明けてね」
「沙和ちゃん……」
茉莉花の目からとめどなく涙がこぼれ落ちる。
「ありがとう。ごめんね、今はまだ上手く話せなくて」
「いいのよ、泣くだけで少しはスッキリするから。はい、ティッシュ。今度は箱で持ってくるね」
ポケットティッシュを受け取ると、茉莉花は泣きながら笑った。
12時になると、沙和は誰にも会わないように会社から少し離れたカフェに茉莉花を誘った。
「茉莉花、何にする?」
「うーん、あんまり食欲ないな」
「だめだよ、少しでも何か食べなきゃ。リゾットならどう?」
「うん、そうする」
賑わう店内で、二人は小さく言葉を交わす。
「こういう時、お酒でも飲んでパーッと気持ちを吐き出しちゃった方がいいんだろうけどね。茉莉花、そういうのも出来ないタイプだよね」
「うん……、そうかも。でも私、別にショックを受けたり落ち込んだりしてないよ?」
「自覚がないのが1番困るの。茉莉花さ、小澤課長を好きだってこともあんまり意識してなかったでしょ? でもそばで見てたら分かる。茉莉花の表情、手に取るように気持ちが表れてたもん。あー、課長のこと純粋に好きなんだなーって思ってた。だけどわざと考えないようにしてたんでしょ? 華恵さんがいるから」
うつむいてじっと沙和の言葉を聞いてから、茉莉花はゆっくり頷いた。
「そうなんだと思う。入社してすぐに小澤課長がメンターになってくれて、いつもそばにいてくれた。優しくて頼もしくて、心から尊敬して憧れた。今もその気持ちは変わらない。だけど、華恵さんとつき合ってるって分かった時、ものすごく寂しくなった。それで自覚したの。私、いつの間にかこんなにも……」
不覚にも涙が溢れた。
沙和がそっと手を握って頷く。
「いいんだよ、茉莉花がその気持ちを抱えてても。だって茉莉花は、ちゃんと分かってる。お二人の仲を引き裂こうなんて思いもしないで、必死に課長のことを諦めようとしてる。けどね、それだと茉莉花が辛くなるのが私は心配。心に溜め込んだままだと、いつか持て余して押しつぶされそうになる。茉莉花、私はいつだって話を聞くから。なんでもいいから気持ちを打ち明けてね」
「沙和ちゃん……」
茉莉花の目からとめどなく涙がこぼれ落ちる。
「ありがとう。ごめんね、今はまだ上手く話せなくて」
「いいのよ、泣くだけで少しはスッキリするから。はい、ティッシュ。今度は箱で持ってくるね」
ポケットティッシュを受け取ると、茉莉花は泣きながら笑った。