私を忘れた彼を やっぱり私は忘れられない
そんなことを想いながら幸もユキと結婚
したのだし相手のお嬢様に気を遣う事も
ないかと思って乗馬クラブのカフェで
会う事にした。

ユキには三崎と会う事は伝えている。

良い顔はしなかったが、貝原を介しての
連絡だったのだと言うとしぶしぶ
了承してくれた。

ユキは少し早く行ってレオンの馬房に
行ってもいいかとスタッフに尋ねていたら
三崎がレオンを引いてきてくれた。

「幸さん、お久しぶりです。レオンと
会いたかったでしょう?レオンに今日
幸さんに会えると言うと喜んでましたよ」

「三崎さん本当にお久しぶりです。
レオンは私の事覚えてくれていますか?」

そういいながらレオンの首筋を撫でてやると
レオンは顔を幸に寄せて来て鼻を撫でろと
言っているようだったので、撫でてやると
目を瞑って気持ちよさそうにした。

そんなレオンを見て幸も三崎もスタッフも
笑ってしまった。

「可愛い、レオン覚えてくれていたのね。
ありがとう」

「馬は人間の何倍も記憶力がいいんですよ
まして大好きな幸さんの事は
忘れませんよ」

三崎はそう言って幸に乗馬服を用意して
あるから着替えてくるように言った。

トレッキングに行くようだ。

幸は久しぶりに乗ったのだが怖いと
思わなかった。

そういえば始めてレオンに乗った時も
怖いとは思わなかった。

よほどレオンとは相性がいいのだろう。

三崎の後についてこの前行った山の方に
向かって馬を駆けて行く。

そしてあのベンチに腰かけて、前にここに
来た時はユキに捨てられたと思って
落ち込んでいたのを思い出した。

そして眼下の眺めにほ~っと息を吐きだした
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