私を忘れた彼を やっぱり私は忘れられない
「レオンと言い、ビーナスと言い幸さんは
馬に愛されるんですね。羨ましいですよ。
僕の婚約者は馬は怖いと言って乗馬も
拒否していますよ」

そういって三崎は少し寂しげに笑った。

政略結婚ではあるが三崎の結婚生活が
幸せなものであることを願っている幸だ。

「幸さんそこでお願いがあるんですが、
その重賞レースの時にビーナスに会いに
来てくれませんか?出走前にビーナスに
会ってくれるだけでいいんです。
調教師が幸さんに頼んでくれないかと
言ってくるんです」

「貝原さんにスケジュール聞いてみます。
行けそうなら絶対応援に行きます。
きっと主人も一緒に行くと言うと
思うんですけどいいですか?」

「貝原さんにはスケジュール確認してます。
その日はフリーだそうです。そしてもちろん
ご主人にもぜひ来てもらって下さい」

「ああ、そうでしたね。三崎さんって
そういう用意周到な人でした」

そういって幸はコロコロと笑った。

「ご主人は僕と幸さんが週刊誌のネタに
なったことご存じですよね。きっと今日も
心配していらっしゃるんじゃないですか?
僕叱られますかね」

三崎は頭をかいて困ったように笑った。

「そうなんです。今日もどうしても
行くのかってホントに心配性なんです。
だからきっと一緒に行くって言いますよ。
今日も迎えに来るんじゃないかと
思っているんです」
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