私を忘れた彼を やっぱり私は忘れられない

走れ!ビーナス!

そして、今日は5月の最終の日曜日で
重賞レースの日だ。

この前の新馬戦とは断然競馬場の雰囲気が違う

幸はユキと共に三崎と待ち合わせをしている
場所に行く。

そして出走前の馬房にいるビーナスの所に
連れて行ってもらった。

幸はビーナスに近づいて鼻を撫でた。

「ビーナス久しぶりね。頑張ってるわね。
今日はすごいレースなんだってね。
応援しているから頑張ってね」

幸がそう言うとビーナスは幸の方に顔を
寄せて嬉しそうに鼻を幸にこすりつけた。

幸はケラケラと笑って

「ビーナスくすぐったいわ」

と言って首をポンポンと優しく
撫でてやった。

「どうです刈谷さん、ビーナスは幸さんが
大好きなのが分かりますね」

「う~ん、僕のビーナスが…
馬でも焼けますね」

「あはは、刈谷さんビーナスは雌馬ですよ
きっと幸さんの事はお母さんかお姉さん
とでも思っているんですよ」

「そうですか、ビーナスですもんね」

というユキに三崎は大笑いしている。

3人は今は馬主席にいてビーナスの
出走を待ち構えている所だ。

時間が来て重賞レースの吹奏楽団の演奏や
ファンファーレが鳴らされて、
ムードは最高潮になってきた。

出走馬がみなゲートに入るとスターターが
ゲートを開いた

一斉に飛び出した馬がコーナーを回り最後の
直線に入ってきた。

ビーナスは前から5番目位だ先頭とは
少し距離がある。

その時幸は声を限りに叫んだ。
< 115 / 125 >

この作品をシェア

pagetop