私を忘れた彼を やっぱり私は忘れられない
2年半以上前に弁護士事務所からの出張で
このA市に来て裁判の証拠探しを
していたらしい。

さっきの不動産開発業者と関係があるかと
聞いたが、内容は聞かされていないので、
気になるなら、東京の一法律事務所の
伊藤先生に電話するといいと言って
電話番号まで教えてくれた。

そして彼女、西城幸に俺を見つけたことを
報告したいと言った。

彼女に頼まれてずっと俺を探していたらしい
山梨さんは“興信所の費用は馬鹿になり
ませんからね。それを2年半も払い
続けている幸さんはすごいですよ。
執念を感じます”
と言った。

相変わらず頭痛はするが、俺はこの2年半の
事を簡潔に話した。

俺を助けて家に置いてくれている母娘には
恩だけでは済まない借りがある。

でも、とりあえず今住んでいる所と携帯の
番号を教えてくれと言われて、教えた。

そこに裕美から携帯に連絡が来た。

「ケン今どこにいるの?母さんが倒れて
病院に運ばれたの。私どうしたらいいか
わからない。ケン助けて」

そういうと電話の向こうで泣き崩れた。

俺はすぐに泰樹に電話して事情を話して
裕美の側にいてやって欲しいと頼んだ。

俺は急いで帰っても1時間以上はかかる。

山梨さんは、幸に電話をして俺を
見つけた事を記憶をなくしている事を
手短に伝えていた。
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