私を忘れた彼を やっぱり私は忘れられない
一歩一歩涙を流しながら近づいてくる幸に
裕美は“母さんが逝ってしまった今私には
ケンしかいない。ケンは私の側にずっと
いるって約束してくれた。
ケンまで取り上げないで帰って
もう二度とこないで”と叫んだ。
幸はぴたりと動きを止めた。
俺はずっと一緒にいるとは言っていないが
そんなことを言っている場合じゃなかった、
とりあえずもう出棺が迫っているのだ。
俺を助けてくれて信じてくれて家に
おいてくれた恵子さんを最後にちゃんと
見送らないといけない。
裕美にももう泣き止んでしっかりお母さんを
見送るんだと諭した。
出棺が終わるともう幸の姿はなかった。
誤解されたかもしれないが後日きちんと
話しをしようと思う。
しかしそれは俺の大きな誤算だった。
その後何カ月も幸に会えず苦しい日々を
送ることになるとは夢にも思って
いなかった。
もう少しだけ待っていてほしいと心の中で
幸に謝った。
大好きな幸にあんな顔をさせてしまった。
他の女を大事そうに抱いている俺を見て
きっとショックだっただろう。
それでも今の裕美を置いてはいけなかった。
それに漁師のおっちゃんは俺を当てにして
くれているのだ。
明日からの漁も行かないと困るだろう。
ここではいろんな人に親切にしてもらった
恩がある。
組合のほうは何とか辞められるだろうが、
漁のほうはおっちゃんとしっかり話を
しないと急にやめても困るはずだ。
俺は記憶が戻ったがにっちもさっちも
行かない状況に追い込まれていた。
裕美は“母さんが逝ってしまった今私には
ケンしかいない。ケンは私の側にずっと
いるって約束してくれた。
ケンまで取り上げないで帰って
もう二度とこないで”と叫んだ。
幸はぴたりと動きを止めた。
俺はずっと一緒にいるとは言っていないが
そんなことを言っている場合じゃなかった、
とりあえずもう出棺が迫っているのだ。
俺を助けてくれて信じてくれて家に
おいてくれた恵子さんを最後にちゃんと
見送らないといけない。
裕美にももう泣き止んでしっかりお母さんを
見送るんだと諭した。
出棺が終わるともう幸の姿はなかった。
誤解されたかもしれないが後日きちんと
話しをしようと思う。
しかしそれは俺の大きな誤算だった。
その後何カ月も幸に会えず苦しい日々を
送ることになるとは夢にも思って
いなかった。
もう少しだけ待っていてほしいと心の中で
幸に謝った。
大好きな幸にあんな顔をさせてしまった。
他の女を大事そうに抱いている俺を見て
きっとショックだっただろう。
それでも今の裕美を置いてはいけなかった。
それに漁師のおっちゃんは俺を当てにして
くれているのだ。
明日からの漁も行かないと困るだろう。
ここではいろんな人に親切にしてもらった
恩がある。
組合のほうは何とか辞められるだろうが、
漁のほうはおっちゃんとしっかり話を
しないと急にやめても困るはずだ。
俺は記憶が戻ったがにっちもさっちも
行かない状況に追い込まれていた。