ラスト・ゲーム

第3ゲーム:爆弾ゲーム

どうしよう…
次の脱落者は私かもしれない。
そんな恐怖が私を襲う。
若菜さん、晴美さん、加奈さん。
もう3人も亡くなった。
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次の日。
「ゲームやーーーーーーー!今日のゲームは、朝早くから行うでー…あ、歯磨きや顔洗いはちゃんとしな!」
朝っぱらからいきなりゲーム!?
歯磨きや顔洗いをそれなりにやって、カナエの元に駆けつける。
「次のゲームは、おっきな講堂でやるでー」
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「第3ゲームは、…爆弾ゲームや」
爆弾ゲーム?
また運ゲーだ…
「ルールはみなわかるかもしれへんけど一応教えとくわ」
「はよ説明しなさいよ!」
さあやさんが苛立っている。
「今からルーレットで決めた誰かに爆弾をわたすでー!本物や!ほんで、爆弾を順番に誰かに回して欲しいんや!制限時間は20秒!ほな、円形になりや!」
仕方なく円形になる。
私から時計回りに、吉良さん、さあやさん、モカさん、杏奈さん、すみれさんの順に円形になる。
「んじゃ、爆弾は…野々木すみれが持ちな!ほな、ゲーム、スタートや!」
ビーーーーーーー!とカナエが笛を鳴らす。
カチカチ…と爆弾のタイマーが動き出した。
「嘘!タイマーあるの!?じゃあ…あなた!」
私に爆弾が回る。
やばい。早く吉良さんに渡さないと…
急いで吉良さんに爆弾を渡す。
「いやーーー!じゃあ、あなた!」
爆弾がさあやさんに渡る。
無言でさあやさんはモカに爆弾を渡す。
「やばい!もう残り10秒!ほい!」
もう10秒!?
「私は絶対に…死んではいけない!」
杏奈さん?
杏奈さんは絶対に死んではいけないって…どう言うことかしら?
すみれさんに爆弾を渡す杏奈さん。
「私だって死んじゃいけないのよ!」
どうやら杏奈さんとすみれさんは犬猿の仲らしい。
「はい、あなた!」
え、私!?
タイマーを見ると、残り2秒。
やばいやばいやばいやばい!!!
「ごめんなさい!!!!!!」
ビーーーーーーーーー!
ブザーがなった後に爆弾を持っていたのは…吉良さんだった。
「嘘…」
「第3ゲームは、浦山吉良の脱落や!」
「嘘…いや…いや…」
吉良さんは爆弾を投げ捨てようとするが、窓もどこにもない。
「残った者は、早よこっち来やーーー」
「待って!私も入れてよ!…」
吉良さんが言い終わらないうちに、講堂のドアは閉まった。
「みな、離れや」
「嫌だ!吉良さんはあきらくんに認知されているのよ!吉良を殺したらあきらくんは許さない!」
ドアの奥から吉良の声が聞こえる…
…ごめんなさい…こうしないと…私が死ぬから…
「出して!出して!!!」
するとバァン!!!!!という爆発音が聞こえ、吉良さんの声はかき消された。
「嘘でしょ…」
冷静だったさあやさんも、動揺してる。
「吉良ちゃん、こっそり応援してたのに…」
モカが呟く。
「第3ゲーム終了や!この後は自由やでーーーー!」
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カタ…
こっそり講堂を後で見てみた。
爆弾で亡くなったから、骨は残らない。
よく見ると、吉良さんのつけていたピンク色のリボンが、黒焦げになって落ちている。
惨すぎる。
私たちは何もしていないのに。
…辛い現実があるからみんな、願いを持つ。
吉良さんだって、好きだったアイドルグループが解散するという現実から逃れたくて、ゲームに参加したはずだ。
逃れるために、命を犠牲にしないといけないのかしら?
そんなはず…ないわよね。

脱落者:浦山吉良
残り5人
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