鉄の女社長は離婚したいのに人たらし御曹司に溺愛される
「気まぐれじゃないわよ。もっとあなたに近づきたいと思ったの。今日はありがとう。私のために父に意見してくれて。母以外では今日が初めてよ」

そう言ったあとに初めてではなかったと気づいた。

「子供の頃も、あなたは父に言ってくれたわよね。悪いのは自分たちだから叱らないでくださいって。二度も助けられたわ」

昴がフッと目を細める。

「何度でも助けるよ。たとえ君にいらないと言われても」

「もう言わないわ。昴さんを頼りにしてる。私もあなたの力になれるかしら?」

「なってるよ。君が隣にいるだけで世界が輝いて見える」

真顔で言ってから、「クサい台詞だな」と彼が破顔した。

冗談だったのかもしれないが、心に温かくしみて嬉しく思った。

(世界が輝いて見える……私も同じだと言っていいかしら)

昴の背景に広がる海がまさにキラキラと輝いている。

彼と気持ちが通じると、過去のつらささえ日が差し込む気分になれた。






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