鉄の女社長は離婚したいのに人たらし御曹司に溺愛される
「口開けて」
「自分で食べられるわよ」
「いいから早く。俺の腕が焼けそうだ」
ホットプレート越しなので熱いようだ。
それならやめればいいのにと思いつつも、彼の箸からたこ焼きを食べた。
熱さにハフハフしている様子に彼が目を細める。
「絢乃、今後も俺たちらしくいこうよ。幸せの形はそれぞれ違う。周囲に引きずられて自分を追い込まないようにしよう」
(心を見透かされた?)
そんな気がしたので、彼の意見を聞いてみる。
「昴さんは子供が欲しくないの?」
「授かれたら嬉しいと思う。だが、そうじゃなくても絢乃と暮らせる日々は楽しい。今の暮らしに満足しているよ。俺たちは間違いなく幸せだ」
「そうね。私もそう思う。子供は無理して今、授かろうとしなくていいわよね」
悩みになる前に解決してくれた彼に感謝する。
腰を浮かせ、お返しにと昴の口元にたこ焼きを持っていくと、彼がひと口で頬張った。
「昴さんはいい人ね」
「足りないな。それじゃ喜べない」
彼が求める言葉は、考えなくてもすぐにわかる。
「あなたは最高の夫よ。愛してるわ」
「ありがとう。俺もまったく同意見だ。最高の妻を愛してる」
椅子を立った彼が隣に来た。
指を絡ませて見つめ合い、どちらからともなく唇を重ねる。
ビジネス婚だと言っていた頃の自分に教えてあげたい。
こんなにも深く愛し合い、最高の夫婦になれる日が来るということを。
【終わり】
最後までお読みくださいましてありがとうございました!
いつもの私の作品とは違うキャラのヒロインを書いたので難しかったです。
大丈夫だろうかと少々不安です…。
次作はヒロインとヒーローがバチバチやり合うケンカップルを書きたいと思っています。
秋頃に公開できるよう頑張ります!


