イケメンIT社長に求婚されました ―からだ目当て?……なのに、溺愛が止まりません!―

番外編 葉山律、運命の人に出会う

どうも、葉山律です。

Corven株式会社 代表取締役CEO──というと、いかにもカッコつけてるように聞こえるかもしれないが、俺の肩書きは本当にそれだ。

父はアメリカ人、母は日本人。
生まれはニューヨーク、育ちもニューヨーク。
大学はハーバード。これだけ聞くと、いわゆる「勝ち組」に聞こえるらしい。

だが、そう人生は甘くない。

俺はこれまで、女性にこう言われ続けてきた。

「葉山さんって……なんか、エロいですよね」
「イメージと違うんです。もっと紳士かと……」
「理想の彼氏だと思ったけど、ちょっと違いました」

……言いたい放題だな。

もちろんショックだったさ。
だが俺から言わせれば、彼女たちだって理想とは違った。

俺の理想は明確だ。
努力家で、奥ゆかしくて、優しくて、可愛くて、
……そして胸が大きい子。以上。

注文が多い? いやいや、人の好みなんてそんなもんだろう。
人生における重大な選択、妥協してどうする。

そんなある日のことだ。

人事部から回ってきた派遣社員の履歴書を見た瞬間、雷が落ちたかと思った。

証明写真。
そこに写っていたのは、どタイプど真ん中の女性だった。

ストレートな黒髪。控えめな笑顔。
そして、何よりも……そのライン。完璧だ。まさに理想。

履歴書の文字も整っていて、几帳面で誠実な性格がにじみ出ていた。
俺の長年の経験が告げていた──この子は、努力する子だ。

名前を見た。

望月 陽菜。

(……運命かもしれない)

そう思ってしまった時点で、すでにだいぶ重症だったのかもしれない。

だが、ここで止まる俺ではない。

翌日、彼女が初出社してきたのを確認し、偶然を装ってエレベーターで接触を図る。

「君、俺と結婚しないか」

──唐突?

いや、これは戦略だ。インパクトが大事なのだ。

彼女の顔が一瞬で真っ赤になる。

「セ、セクハラです!」と言われて、ウインクして立ち去った俺を見て、周囲はどう思ったか知らない。

だが、俺のなかでは確信していた。

この恋、絶対に逃がさない。

そう、これは出会いではなく──発見だった。

理想は、画面のなかや幻想のなかにあるんじゃない。
現実に、ちゃんと存在していたのだ。

彼女は派遣社員。俺はCEO。
立場も、経歴も、まるで違う。

だが、恋にそんなものは関係ない。
俺が欲しいのは、ただひとり。彼女だけだ。

しかもこの会社には、「Velvet」という「理想の彼氏AI」アプリがある。
俺が開発した、自分では理想通りになれないからこそ作ったAI。

その中にある「優しい」「ちょっと毒舌」「頼れるけど不器用」な彼氏像。

──全部、俺自身だった。

そう、俺は人の理想になんてなれなかった。
だから、AIで補った。

でも今は違う。
陽菜の前なら、俺は理想を超えていけるかもしれない。

だから、俺は彼女に言うのだ。

「君を、人生ごと愛したい」

なぜなら──

これは偶然なんかじゃない。
履歴書一枚から始まった、運命の恋なのだから。
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