酔って寝てたら保護されましたが、これが恋の始まりだなんて聞いてません〜警察官の甘やかな独占欲に包まれて〜
午後からは何事もなく、穏やかな時間が流れた。
パトロールも目立ったトラブルはなく、交番周辺も静けさを保っていた。

そして、午後六時。
取材の終了時間がきた。

「はぁ〜、午後ヒマだったから、深夜怖いですー」
杉崎が伸びをしながらそう言うと、すかさず瀬戸が反応する。

「だからお前、ヒマは禁句だって言っただろ」
そう言いながら、杉崎の帽子を軽くトンとずらす。

「ちょ、やめてくださいよ」
杉崎が慌てて帽子を直すと、そばにいたカメラマンが笑顔で声をかけた。

「お二人、いいコンビですね。今日も息ぴったりで、とてもかっこよかったですよ」

杉崎は帽子を元に戻しながら、にこりと笑って言った。
「ありがとうございます。嬉しいですね」

瀬戸もまた、穏やかに微笑んで頭を下げた。
「ありがとうございます」

その笑顔があまりに自然で、まっすぐで、胸の奥がまた静かに高鳴る。

「今日はありがとうございました」
奈緒はそう言って、一礼した。
めいっぱいの笑顔を添えて、交番を後にした。
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