酔って寝てたら保護されましたが、これが恋の始まりだなんて聞いてません〜警察官の甘やかな独占欲に包まれて〜
奈緒はふっと体の力が抜けて、その場に崩れるように座り込んだ。

すると、「大丈夫ですか。」

その声と同時に、瀬戸が目の前にしゃがみ込み、自分が着ていたジャンパーをそっと奈緒の肩にかけた。

ふわっと、どこか懐かしく安心感のある瀬戸の香りが奈緒を包む。

緊張が一気にほどけて、今度は安堵の涙が静かに頬を伝った。

「もう大丈夫です。逮捕しましたから。」

穏やかにそう言いながら、瀬戸はポケットから出したハンカチを奈緒の手に握らせた。

しゃくりあげるように泣く奈緒の肩に、そっと手を添えて、

「ほら、落ち着いて。涙、拭いてください。」

優しく促す。

少しずつ、その温もりに奈緒の心も落ち着きを取り戻していく。

その一方で、周囲には続々と応援の警察官たちが駆けつけ、事態の収拾にあたっていた。
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