酔って寝てたら保護されましたが、これが恋の始まりだなんて聞いてません〜警察官の甘やかな独占欲に包まれて〜
翌朝。
体のだるさに気づいて目を覚ます。

吐く息が、冷たく感じた。
窓の外はまだ薄暗く、部屋の空気がひんやりと肌を刺す。

体を起こすと、タオルを巻いたまま眠っていたことに気づく。
髪も濡れたままで、枕は少し湿っていた。

「……やってしまった」

喉が乾いていて、少しヒリつく。
おそるおそる体温計を脇に挟んだ。

表示された数字は──37.7℃。
「微妙……」

休む?
それとも行く?

脳内で問いかける。
でも、もし今日会社を休んだら。

「負けたのが悔しくて仕事休む子供みたいな人」って、思われるんじゃない?

──それって、流石にダサいよね。
そんなことでブレてる自分なんて、もっと嫌だ。

しかも今日は、本庁のサイバー課との取材。
やっと取り付けた、SNSを利用した闇バイトに関する待望の案件だ。

人には任せられない。
自分の足で聞いて、書くと決めた。

そんな義務感で、体を無理矢理起こす。
もう一度、熱いシャワーを浴びて気合を入れた。

鏡の前で、無理に口角を上げてみる。
「……行ける。行くしかない」

そう言い聞かせて、身支度を整えた。
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