酔って寝てたら保護されましたが、これが恋の始まりだなんて聞いてません〜警察官の甘やかな独占欲に包まれて〜
シャワーを浴びた。
シャワーの中で、また涙が溢れた。

熱い水に打たれながら、泣いているのか、汗なのか、もうわからなかった。
流れる音に紛れて、嗚咽もかき消された。

水を浴びて、気持ちを誤魔化した。
空虚な気持ちを埋めるように──
埋まるわけがないのに。

涙が止まらないことにも、もう抵抗する気力もなかった。

泣き疲れて、シャワーから出た。
髪も乾かさず、タオルを羽織ったまま、布団に倒れ込む。

目を閉じた瞬間、真っ暗な世界に、名刺の名前だけがぼんやり浮かんだ。

静かに、重たく、眠りに落ちていった。
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