酔って寝てたら保護されましたが、これが恋の始まりだなんて聞いてません〜警察官の甘やかな独占欲に包まれて〜
奈緒は、ぼんやりとした視界の中で天井を見上げていた。
少しずつ輪郭がはっきりしていく。
視線を動かすと、星崎と見知らぬ男性が顔を覗き込んでいた。
ハッとして、慌てて体を起こそうとする。
「ちょ、ちょっと待ってください!」
見知らぬ男性が急いで奈緒の肩に手を添え、動きを制した。
「水原さん、あなたは倒れたんですよ」
星崎が静かに言う。
「僕は大宮と言います。元救命士で、たまたま近くにいて。
ちょっとだけ様子を見させてもらいました。
呼吸も脈拍も安定しているので救急搬送までは不要と判断しましたが、何かご病気などありますか?
それとも、今日は体調が悪かったんですか?」
大宮の落ち着いた口調に、奈緒は申し訳なさそうにうつむいた。
「……ちょっと朝から具合が悪くて。でも、無理できると思っていて……すみません」
「やっぱりね」
星崎が苦笑混じりに言った。
「はい、お荷物。ざっとまとめただけなんで、ちょっと適当になっちゃってますが」
星崎が、奈緒のバッグと書類を手渡してくれる。
「……わざわざ、申し訳ありません」
奈緒は深々と頭を下げた。
すると星崎が、手にしていた資料の一枚を指差した。
「これ、よくかけてますよね」
そこには「防犯の”最前線“、見えていますか?」の記事。
「……えっ、読んでくださったんですか?」
「うん。たまたま僕のデスクの目の前に貼ってあってさ。
よく取材してるなと思ってたし、なんせ新宿東口は僕の古巣だから、懐かしくてさ」
「古巣……なんですか?」
「うん。サイバーに来る前は東口にいたんだよね。
確か、川合とか、樋口さんとか、瀬戸とか、いたよね。あの二人は後輩」
不意に出てきた名前に、奈緒の胸がちくりと痛んだ。
思わぬところで、思い出させられる。
「……読んでくださる方がいるなんて。一生懸命書いた甲斐がありました」
「うん。今回の取材も、どんな記事になるか楽しみにしてるよ」
星崎は、優しく微笑んだ。
少しずつ輪郭がはっきりしていく。
視線を動かすと、星崎と見知らぬ男性が顔を覗き込んでいた。
ハッとして、慌てて体を起こそうとする。
「ちょ、ちょっと待ってください!」
見知らぬ男性が急いで奈緒の肩に手を添え、動きを制した。
「水原さん、あなたは倒れたんですよ」
星崎が静かに言う。
「僕は大宮と言います。元救命士で、たまたま近くにいて。
ちょっとだけ様子を見させてもらいました。
呼吸も脈拍も安定しているので救急搬送までは不要と判断しましたが、何かご病気などありますか?
それとも、今日は体調が悪かったんですか?」
大宮の落ち着いた口調に、奈緒は申し訳なさそうにうつむいた。
「……ちょっと朝から具合が悪くて。でも、無理できると思っていて……すみません」
「やっぱりね」
星崎が苦笑混じりに言った。
「はい、お荷物。ざっとまとめただけなんで、ちょっと適当になっちゃってますが」
星崎が、奈緒のバッグと書類を手渡してくれる。
「……わざわざ、申し訳ありません」
奈緒は深々と頭を下げた。
すると星崎が、手にしていた資料の一枚を指差した。
「これ、よくかけてますよね」
そこには「防犯の”最前線“、見えていますか?」の記事。
「……えっ、読んでくださったんですか?」
「うん。たまたま僕のデスクの目の前に貼ってあってさ。
よく取材してるなと思ってたし、なんせ新宿東口は僕の古巣だから、懐かしくてさ」
「古巣……なんですか?」
「うん。サイバーに来る前は東口にいたんだよね。
確か、川合とか、樋口さんとか、瀬戸とか、いたよね。あの二人は後輩」
不意に出てきた名前に、奈緒の胸がちくりと痛んだ。
思わぬところで、思い出させられる。
「……読んでくださる方がいるなんて。一生懸命書いた甲斐がありました」
「うん。今回の取材も、どんな記事になるか楽しみにしてるよ」
星崎は、優しく微笑んだ。