魔法使い時々王子
リトは大きなため息をついた。

「どうしたの、リト?仮装舞踏会、嫌なの?」

アリスが首を傾げると、リトは顔をしかめた。

「……馬鹿げた行事だ」

すると、マルグリットが喉を鳴らして笑った。

「ほっほっほ。仮装舞踏会が嫌いとは知らなかったえ。まぁ、わしには関係のない催しだえ。記録することもないから、数日は仕事がないえ。昼寝でもして過ごすんだえ」

その気楽な言い方に、アリスは思わず苦笑した。

「ノエルさんは参加しないんですか?」

ノエルは柔らかく微笑む。

「私の仕事は図書館の管理ですので。マルグリット様と同じく、関係のない催しですね」

「俺にも関係ない」

すぐにリトがぼそりと言う。

するとノエルが、少しだけ楽しそうに目を細めた。

「リト王子は、残念ながら参加なさらなければなりませんね」
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