魔法使い時々王子
第二十七章 迫る嵐
イスタリア王国――

建国記念日の朝。

王宮は早くから慌ただしく、そして華やかな空気に包まれていた。

建国記念日は国にとって一年で最も重要な祝祭だ。

王宮の一部は一般市民にも開放され、王都では朝から様々な催しが行われている。

通りには国旗が掲げられ、露店が立ち並び、子どもたちは楽しそうに走り回っていた。

王都全体がお祭りムードに包まれている。

その中心である王宮も例外ではなかった。

「シド!こっちの来賓席の名簿、確認お願い!」

「分かった」

シドはセラから受け取った書類に目を通した。

各国から招かれた来賓の席順。

歓迎式典の進行表。

警備配置の最終確認。

さらにはロザリアが式典で行う祝福魔法の準備まで。

普段なら担当部署ごとに分担される仕事も、この数日は人手が足りず総出で対応していた。

「こっちは終わった。次は?」

「東棟の控室!花の飾り付けに問題がないか確認してきて!」

「それ、本来俺の仕事じゃないよな?」

「今さら言う?」

セラは笑いながらシドの背中を押した。
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