魔法使い時々王子
ロザリアの執務室。

三日間の催しを終え、シドとセラはぐったりと机にもたれかかっていた。

「無事終わって何よりだが、流石に疲れたな……」

シドが呟く。

その言葉に机に伏せていたセラも顔を上げた。

「ほんとよ。私たち、よく働いたわよね……」

二人ともすっかり疲れ切っている。

すると、執務室の扉が開いた。

「二人とも、本当にお疲れ様!」

入ってきたのはロザリアだった。

いつもの優雅な笑みを浮かべているが、その表情には隠しきれない疲労が見える。

「明日からやっと日常よ。もうお花や来客や祝辞や山積みの書類に囲まれた日々は終わり!」

そう言って両手を広げる。

セラが思わず吹き出した。

「ロザリア様も相当お疲れですね」

「当然よ。わたくし、この三日間で何回同じ挨拶をしたか分からないもの」

ロザリアは肩を落とした。

その様子にシドも思わず笑う。

「ロザリア様は今夜の舞踏会には出ないんですか?」

建国記念日の最終夜。

王都では毎年恒例の非公式な仮面舞踏会が開かれる。

貴族も平民も身分を隠して参加し、朝まで踊り明かす賑やかな祭りだ。

ロザリアは即答した。

「今年はパスするわ」

そして机に手をついて深いため息をつく。

「今のわたくしは踊るより寝たいの」

セラは大きく頷いた。

「分かります!」

「でしょう?」

ロザリアは満足そうに頷く。

「さ、二人とも早く部屋に戻ってゆっくりしなさい」

そう言われ、シドとセラは立ち上がった。

「お先に失礼します」

「おやすみなさい、ロザリア様」

二人は挨拶をすると執務室を後にした。
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