魔法使い時々王子
舞踏会は穏やかに進んでいた。

今夜はセオも出席することができていた。

国王と共に招いた貴族たちと言葉を交わし、王太子として一人一人に丁寧に対応している。

アリスもまた、アルシエラと共に様々な客人と会話を交わしていた。

王妃が隣にいることで、いつも以上に多くの者がアリスへ声を掛ける。

やがて舞踏会も中盤に差し掛かった頃。

一人の貴族が、国王の前へ進み出た。

「国王陛下」

その声に、周囲の者たちが振り返る。

「イスタリア王国から、星晶を求められているという話は……本当なのでしょうか」

その瞬間。

先ほどまで流れていた音楽が止まり、会場全体が静まり返った。

誰もが国王の答えを待つ。

少し離れた場所にいたリトは、その貴族の姿を見て表情を曇らせた。

「……あの男は…ヴァルター・グランツ公爵だ」

アリスがリトを見る。

「遠方のグランツ領を治める、国内でも有数の大貴族だ」

リトは静かに続ける。

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