魔法使い時々王子
翌日。
アリスが廊下を歩いていると、あちらこちらから視線を感じた。
すれ違う人々が、自分を見ている。
昨日の出来事は、もう王宮中に広まっているようだった。
「昨日のこと、聞いた?」
「ヴァルター公爵も随分と……」
「でも、イスタリアが星晶を求めているのは事実なんでしょう?」
小さな声で交わされる会話が、アリスの耳にも入ってくる。
けれど、アリスは何も反応せず、ただ前を向いて歩き続けた。
ようやく図書館へ入ると、アリスはほっと胸を撫で下ろした。
静かな空間に入り、少しだけ肩の力が抜ける。
奥へ進むと、リトがいつものように本を読んでいた。
アリスの姿に気づいたリトは、本から顔を上げる。
そして、アリスの表情を見るなり、何かを察したようだった。
「……気にするな」
リトは本を閉じながら言った。
「みんな、噂話が好きなだけだ。数日もしたら、また違う話で盛り上がっている」
「……ふふ」
アリスは思わず微笑んだ。
「ありがとう、リト」
リトの隣では、ノエルも優しく微笑んでいる。
アリスはふと、昨日のことを思い出した。
「そうだ……お母義様にも、ちゃんとお礼を言わなくては…昨日、あの場で助けてくださったから……」
するとノエルが、申し訳なさそうに口を開いた。
「アルシエラ様は、しばらく別荘へ行かれております」
「え……?」
アリスの表情が曇る。
「もしかして……昨日、舞踏会に参加されたことでお身体の具合が悪くなったのでは……?」
心配そうに尋ねるアリスに、ノエルは慌てて首を横に振った。
「いえいえ、ご心配には及びません」
ノエルは微笑んだ。
「毎年この時期になると別荘へおいでになるのが恒例なのです」
「そうなの……?」
「はい。もし何かご用があれば、いつでも連絡してくださいと伝言を残しておられます」
「……そう」
アリスは胸を撫で下ろした。
「よかった……」
昨日の舞踏会で見せてくれたアルシエラの姿を思い出し、アリスは小さく微笑んだ。
アリスが廊下を歩いていると、あちらこちらから視線を感じた。
すれ違う人々が、自分を見ている。
昨日の出来事は、もう王宮中に広まっているようだった。
「昨日のこと、聞いた?」
「ヴァルター公爵も随分と……」
「でも、イスタリアが星晶を求めているのは事実なんでしょう?」
小さな声で交わされる会話が、アリスの耳にも入ってくる。
けれど、アリスは何も反応せず、ただ前を向いて歩き続けた。
ようやく図書館へ入ると、アリスはほっと胸を撫で下ろした。
静かな空間に入り、少しだけ肩の力が抜ける。
奥へ進むと、リトがいつものように本を読んでいた。
アリスの姿に気づいたリトは、本から顔を上げる。
そして、アリスの表情を見るなり、何かを察したようだった。
「……気にするな」
リトは本を閉じながら言った。
「みんな、噂話が好きなだけだ。数日もしたら、また違う話で盛り上がっている」
「……ふふ」
アリスは思わず微笑んだ。
「ありがとう、リト」
リトの隣では、ノエルも優しく微笑んでいる。
アリスはふと、昨日のことを思い出した。
「そうだ……お母義様にも、ちゃんとお礼を言わなくては…昨日、あの場で助けてくださったから……」
するとノエルが、申し訳なさそうに口を開いた。
「アルシエラ様は、しばらく別荘へ行かれております」
「え……?」
アリスの表情が曇る。
「もしかして……昨日、舞踏会に参加されたことでお身体の具合が悪くなったのでは……?」
心配そうに尋ねるアリスに、ノエルは慌てて首を横に振った。
「いえいえ、ご心配には及びません」
ノエルは微笑んだ。
「毎年この時期になると別荘へおいでになるのが恒例なのです」
「そうなの……?」
「はい。もし何かご用があれば、いつでも連絡してくださいと伝言を残しておられます」
「……そう」
アリスは胸を撫で下ろした。
「よかった……」
昨日の舞踏会で見せてくれたアルシエラの姿を思い出し、アリスは小さく微笑んだ。