その天才外科医は甘すぎる~契約結婚のはずが溺愛されています
 「ごめんね、驚かせた?」
 「驚いたなんてもんじゃない…でもそれ以上に嬉しい、心の底から」

 それは心の奥から絞り出すような、震えた声だった。

 真澄の手がそっと澪のお腹へと伸びる。
 まだ目に見えない小さな命へ、そっと触れるように――それからゆっくりと澪を引き寄せた。

 ぎこちないほど優しく、膝の上に抱えるように腕の中へ。
 その腕のぬくもりが自分だけのものではなく、もう一人――お腹の中にいる新しい命へも確かにつながっているのを感じる。

 「私も……なんだかすごく不思議。自分の中に新しい命があるって思うと、怖いけどすごく楽しみ」
 「二人の子どもだ……何があっても守る、絶対に」

 耳元で落とされたその声が、澪の胸にじんわりと熱を広げた。

 「……行こうか」

 しばらくの静寂のあと、真澄がふと呟いた。

 「アメリカへ………三人で」

 その一言に、胸の奥で鼓動がドキドキと高鳴った。
 それは、確かに未来が動き出す音。


 「うん……行きたい」


 真澄を見つめて、澪はしっかりと頷いた。
 お互いの瞳に映るのは――愛する人と、新しい日々への期待に満ちた希望の光。


 「二人で、いや……三人で、行こう」



 Fin.


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