パーカー女子は、フードを彼に引っ張られて2

第二話『賢人…助けて…』

賢人と別れた後、満員の電車に乗った私は、しばらく電車に揺られていました。

その時です…

「あれ…?」

後ろから何やらパーカーのフードを触られているような気配がしました。

振り向くと、後ろにいたおじさんが花柄のフードを掴んで触っていました。

「あの…やめてください…」

私は小さな声でおじさんに話しかけてみましたが、おじさんはニヤニヤと笑いながらフードを触り続けます。

そのまま私は必死に我慢していました。

やがて、おじさんはクイっとフードを少し引っ張りました。

「あっ…やめて…」

おじさんは私のパーカーの花柄フードを引っ張ったり緩めたりを繰り返しはじめます。

私は助けてと声を挙げようか迷いました。

しかし、もしかしたらやめてくれるかもしれないと思い、降りる駅に着くまで我慢しました。

「お願い…離して…」

小さな声でおじさんに抵抗しましたが、おじさんは私のパーカーのフードを引っ張るのを楽しんでいます。

やがて、降りる駅に電車が到着しました。

私が降りようとした時、おじさんにフードをグイっと強く引っ張られました。

「きゃっ…苦しい…!」

私はそのまま後ろに倒れそうになりました。

しかし、私の状況に気がついた周りの男の人が、おじさんの手を私のフードから引き剥がし、私はそのまま電車を降りて逃げ出しました。

「はあ…怖かった…」

私は駅の出口で息を整えます。

お気に入りの可愛い花柄フードがしわくちゃになっていました。

知らないおじさんにフードを引っ張られた嫌な感触がまだ残っています。

私は花柄フードを手で整えて、家に帰りました。


こんな嫌な思いはもうしたくありません。

賢人に助けて欲しかった…

私は賢人に電話をかけて、一部始終を話しました。


すぐに私の家に駆けつけてくれた賢人に、優しくフードを引っ張ってもらい、嫌な気分も忘れることができたんです。








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