裏切りパイロットは秘めた熱情愛をママと息子に解き放つ【極上の悪い男シリーズ】
それを笑顔で見送った遼一は、すぐに出て行こうとせずに、なにかを言いたげな表情になった。
そしてしばらく沈黙した後、口を開いた。
「これからも、時々、樹くんに会いに来てもいいか」
まったく予想外、というわけではない彼からの申し出に和葉は黙り込む。
どうすればいいかわからなかった。
樹にとってはいいことなのかもしれないが、嬉しいと素直に思える状況にないし、彼の真意もわからない。
少し前の自分なら即座に断っていただろう。でもさっきの光景が頭に浮かんでできなかった。
樹のことだけを考えれば、会ってもらう方がいいのだろう。遼一がひどい人だということは和葉にとっては事実だが、樹には関係ない。父親がどういう人物かは、成長した後本人が判断するべきだ。母とはうまくいかなかったが、自分にとってはいい父親だったと思う場合もあるだろう。
問題は和葉の気持ちだった。
今日もたった数時間一緒に過ごしただけなのに、何度も心が揺さぶられた。
こんな風に彼と交流し続けて、彼に対して息子の父親以上の気持ちを抱かずにいられるのだろうか。
「来るなら……平日のこの時間?」
まったく拒否、というわけではない和葉の言葉に、遼一が明るい表情になった。
「休みの日でもいいけど、合わないだろう。基本的には和葉が仕事の日のこれくらいの時間になると思う」
「でもこの時間はバタバタするの。本当にやることが多くて」
「だから来るんじゃないか。家事でも子守りでも和葉がやってほしいことをやりにくるよ。今日は助かったってさっき言ってただろう」
会いにくる上に、まるで子育てを手伝うかのような彼の提案に、和葉は戸惑い瞬きをした。
返事をしない和葉との距離を詰めて、遼一が覗き込むようにじっと見た。
「な、なに?」
不思議に思って問いかけると、遼一が安心したように頷いた。
「いや、今日は大丈夫そうだなと思って」
「なにが?」
「疲労だ」
少し前に倒れかけたことを受けての言動だ。唐突に話題が変わったことに驚きつつ、和葉は答えた。
「おかげさまで、あれから貧血にはなってません」
「その前段階の話だ。和葉は貧血を起こす前、左の眉が下がるんだ。あの日は午前中からその症状が出てた」
そしてしばらく沈黙した後、口を開いた。
「これからも、時々、樹くんに会いに来てもいいか」
まったく予想外、というわけではない彼からの申し出に和葉は黙り込む。
どうすればいいかわからなかった。
樹にとってはいいことなのかもしれないが、嬉しいと素直に思える状況にないし、彼の真意もわからない。
少し前の自分なら即座に断っていただろう。でもさっきの光景が頭に浮かんでできなかった。
樹のことだけを考えれば、会ってもらう方がいいのだろう。遼一がひどい人だということは和葉にとっては事実だが、樹には関係ない。父親がどういう人物かは、成長した後本人が判断するべきだ。母とはうまくいかなかったが、自分にとってはいい父親だったと思う場合もあるだろう。
問題は和葉の気持ちだった。
今日もたった数時間一緒に過ごしただけなのに、何度も心が揺さぶられた。
こんな風に彼と交流し続けて、彼に対して息子の父親以上の気持ちを抱かずにいられるのだろうか。
「来るなら……平日のこの時間?」
まったく拒否、というわけではない和葉の言葉に、遼一が明るい表情になった。
「休みの日でもいいけど、合わないだろう。基本的には和葉が仕事の日のこれくらいの時間になると思う」
「でもこの時間はバタバタするの。本当にやることが多くて」
「だから来るんじゃないか。家事でも子守りでも和葉がやってほしいことをやりにくるよ。今日は助かったってさっき言ってただろう」
会いにくる上に、まるで子育てを手伝うかのような彼の提案に、和葉は戸惑い瞬きをした。
返事をしない和葉との距離を詰めて、遼一が覗き込むようにじっと見た。
「な、なに?」
不思議に思って問いかけると、遼一が安心したように頷いた。
「いや、今日は大丈夫そうだなと思って」
「なにが?」
「疲労だ」
少し前に倒れかけたことを受けての言動だ。唐突に話題が変わったことに驚きつつ、和葉は答えた。
「おかげさまで、あれから貧血にはなってません」
「その前段階の話だ。和葉は貧血を起こす前、左の眉が下がるんだ。あの日は午前中からその症状が出てた」