(番外編集)それは麻薬のような愛だった
「人を体目当ての男みたいに言うな。そこのビール瓶で頭かち割るぞ」
「そう怒るなって。スタイルの良さだって十分その子の魅力のひとつだろ?此処には男しかいねえんだからこの際ぶっちゃけちまえって」
「……」
「で、どこがそんなに好きだったの?」
普段であれば突き放すその言葉も、酔いが回り素直になった颯人は唇を突き出しながら声を伸ばして唸る。
そしてまた一口ドリンクを煽った後、ゆっくりと言った。
「…掴みどころがないとこ」
颯人の放った言葉に、どういう意味?と質問が飛ぶ。
「何考えてるか分かんなくて、壁作るのが上手いんだ。…それを壊して、その先にある素顔が見てみたかった」
「……」
「けど…俺じゃ力不足だったみたいだ」
そう言うと、颯人はテーブルにばたりと突っ伏した。
「あー…こりゃ起きねえわ」
近くにいた男が確認するとすやすやと寝息が立てられており、周りに向けて困った笑みを見せた。
目元に微かに涙を浮かべた颯人を見て、友人達は顔を合わせる。そして一人が「仕方ねえなあ」と言いながら颯人の上に掛け布団を乗せた。
「今度合コンでもセッティングしてやるか」
他の面子が頷くと同時、颯人はゆっくりと床に倒れていった。